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初心者を6ケ月で1人前にする「一人前!資金繰り管理6ケ月塾」
画像をクリックしていただくと詳しい内容をご説明いたします。
その① その月のもの(=30日サイト分)しか作っていない。
その② 会社に資金繰り表と言えば日繰り表しかない
その③ ネットで「日繰り表 フォーム」と検索して得たこんな感じの表を使う。
日繰り表を含めた、資金繰り管理実務を「税理士さんも誰も教えてくれない(フォームをくれるだけ)」「ゆえに独学で」「本当に正しいのか?」という不安の中で、あなたが事務を行っていることをよく知っています。
本サイトでは多くの方に自信をもって事務にあたっていただけるよう、要点を中心にお伝えして参ります。
さてこれらはなぜ失敗の元、なのか。
日繰り表の鉄則3つと共に解説させていただきます。
「会社にある資金繰り表とは日繰り表のこと」という方は鉄則①から順にお読みください。
「資金繰り表は別にちゃんと作っている。日繰り表のことだけ知りたい」という方は鉄則③からお読み頂ければ十分かと存じます。
「倒産した会社、あるある」の話から核心を話させて下さい
倒産した会社でしていた資金繰り管理の圧倒的第1位は
「資金繰り表は日繰り表のみ。しかも30日分先までの表」。
どうしてそんなことになるのか、日繰り表作成に必要な鉄則①、②を解説しながらお話しさせて頂きます。
そもそも日繰り表とは
「日ごとの資金の動きを予測する」ための管理表です。
問題は「それを何日分作っているのか?」です。つぶれた会社の多くは
・資金繰り表と言えば日繰り表
・その日繰り表は「月末までしか作っていない」。
「今月末まで作る」作業は概ね「支出が毎月ほぼ決まっている」+「来た請求書をただ足し算」するという作業です。でもその先は?・・・・
どうして60日先・90日先のものを作らないのでしょうか?
理由はきっと「請求書もない未来をどう予測していいかわからない」からではないでしょうか?
「資金繰り管理」という仕事、税理士・会計士の勉強にもなく、一般的な学習体系も存在しません。教わる人もいない、勉強しようがない。だから多くの経理マンが資金繰り管理を苦手に思っています。
独学ではなぜ難しいか、そこにもはっきりした理由があります。その先を作るのに必要な「予測」という仕事が、自分でものさしを考え・作る仕事だからです。
しかもその相談に載ってくれる相手もほとんどいないのです。
経営を支える仕事をする人間から見て、中小企業の社長で一番かわいそうなのは、お金の未来が見えていない社長。来月の支払・再来月の支払を「いくらなんだろ?と漠然と怯えている」ことしかできない社長です。
まだ「足りない!とはっきりしている」方がよっぽどましです。
こうなってしまうのは、敢えて厳しいことを言うことをお許し頂きたいのですが、30日分しか情報がないから、です。
未来の予測がつかないこと、お金の流れをはっきりと見通せないこと、が社長の眠れない夜の元凶になっていることに是非思いを馳せて欲しいのです。
更によくないのは、ひとたび不安になった社長は金融機関の借入で心の安定を図ることです。先が読めないと新規調達をすることでしか心が安定できなくなってしまうのです。
本業に集中できないのに借入だけは増える。誰の目にもそれはやばい。でも中小企業の経営者には無理からぬことなのです。
私たち経理マンが会社の経営のためにやるべきことは「過去情報」ではありません。未来です。未来の情報です。できるだけ長い先の未来の情報を社長に提供することです。
だから最低でも90日分は提供してください。慣れたら半年・1年分先まで提供してあげてください。社長を本業に専念させてあげてください。
90日後の資金不足が今月わかれば最低限の対処ができます。「2ケ月後請求書が来た⇒まとめた⇒そこでやっとわかった」では支払いジャンプや残り少ない時間で無理矢理にでも銀行借入にチャレンジするか、程度のことしかやりようがないのです。どっちにしても会社の信用を大きく毀損します。
なぜ日繰り表を「最低でも90日分作れ」というのか。
それは「社長に対策できる時間を作るため」、会社の信用を守るため、なのです。
さて、鉄則2の話に移ってまいります。実務の話です。
「最低90日分の日繰り表」を作るために絶対に必要なものです。
それは予測のための「ものさし」です。
あなたがまずすべきことは「ものさしの設定」です。
資金繰り管理における「ものさし」。
まず売上ですが、売上についてはあまり深く考える必要はありません。
売上入金は「請求書控」という「ものさし」があります。その先の分についても、社内には売上計画や予測くらいはあるではないでしょうか?。合わせるものがありますから(それをきちんと収集するのもあなたの役目です)、ここで大きな間違いはあまり起こしません。
ものさしを強く意識する必要があるのは変動費、もっと範囲を絞ると売上原価(仕入・外注費)支払です。
60日後(来月末)90日後(再来月末)の支払いをどういう数字にしていいかわからないから、多くの方が躊躇するのです。
売上原価のものさしで、一番大事なのは「P/L=損益」です。
簡単な例で言えば、100万円の仕事・粗利30%の仕事をしたのであれば払うのは来月・再来月などに分散されるかもしれないけれども、御社のサイトの中で合計で70を支払うはずです。
この予測を複層的に積み上げていけばいいのです。
(私たちの1dayレッスンを受講された方には、その集計・積み上げのツールを無料で差し上げております)
売上または仕入がずっと一定とかの特殊事情がない限り、間違っても「だいたいいつもこれくらい」だろう、ってやってはダメです。結構多くの経理マンが実はこれをやっちゃっています。
資金繰り予測は、資金繰りがかなり窮していない限り、「来月・再来月に支払う額をぴたっと当てる」ことは求められません。
把握していることが求められること、大事なこと、は「コストの全体像」です。
例えばA工事の原価、払いが全体で70なことはわかっている。
それを自分たちの支払ルーチンに従えば「来月は40、再来月はだいたい30」。これでいいのです。結果、来月が25でも「ただズレただけ。全体は70なのだから再来月は45になる」と「全体でいくら払うのか」を理解できていれば大きな間違いは起こしません。これでいいのです。
あえて苦言を申し上げると「雑な経理の方」はここで「来月40」の予測が25になった理由を探しません。ひどい方になると「粗利が良くなったと思った」「値引きされたのかと思った」と言い訳をされます。これが命取りになりますし、逆に言えば全体像をつかむ実務をされていれば、(一番大事なことがわかっている)あなたはどの会社に行っても活躍ができる(くらいの実力がつく)はずです。
貴社支払いサイトの中で「多少の前後はある、でもとにかく70払うんだ」。この理解=コストの全体像をつかむこと、を大事にして下さい。こだわって下さい。資金繰り管理の重要なものさしなのです。
日繰り表の形式・フォームの鉄則3番目は
「月繰り表(資金繰り表)の項目・数字と合わせること」です。
しかしながら多くの中小企業では次の様な表を作成します。「日繰り表 フォーム」と検索してダウンロードして得られるのも概ねこの様なフォームになっています。
【こんな表はダメよ、という典型例】
何が良くないのでしょうか?
何にいくら払ったのでしょうか?各項目ごとの月の合計がわかりません。
「各項目ごとの月合計がわかること」には2つ意義があります。
1つは事前に予測の適切さ・異常値をチェックできること。
毎月変動する買掛金支払額の妥当性、毎月大きな変動のない固定費が正しく反映されているのか、今月に特別な費用の織り込みなど、作成担当者自身のチェックのため、そして、見て頂く社長がチェックしやすくなるという点に意義があります。
また、月繰り表を主人公として位置づける前提で、下記で述べるように月繰り表との整合性をきちんと確認する上でも大きな意義があります。
もう1つは予実管理のため。
資金繰り管理の肝の1つである「予実管理」。日繰り表には結果の更新を必要としますが、その結果と予算との比較・分析を容易にするためにも項目別になっていることに意義があります。
そのためにも一番最初に作った日繰り表は紙 or 別ファイルとして保存しておくことが必要です。資金繰り管理実務の全てにおいていえることですが、初版を廃棄したり、上書きしてしまうことは、予実管理を機能させるという観点でも、あなたが「自分はどうして間違ったのだろう」の振り返りができなくなるという意味でも、やってはいけないことです。
具体的にはこういう↓形式が推奨する日繰り表のモデルです。
(本ページ冒頭に、本モデルをダウンロード頂けるご案内を掲示致しました)
【推奨する形式】
この表のポイントは2つあります。
ポイント① 項目別にすること
ポイント② (表の一番下)「合計」欄を設けることです。
この2つが月繰り表との整合性を測る仕組みです。入出金の捉え方を間違っていないか、のものさしになります。項目は月繰り表と合わせることが原則です。
買掛債権や租税公課に遅延が生じている会社には資金繰りが厳しい会社特有の管理項目が日繰り表上に生じます。 次の本サイトリンク先が、事業再生に取り組む厳しい会社の資金繰り管理をお伝えしているのですが、ご参照頂ければ幸いです。
理想的には「毎日」ですが、現実の実務は「財務状態により異なる」です。
資金繰りの厳しい時は「毎日~3日に1度」更新します。
そこまで厳しくない企業であっても「週に1度」実績の更新と最新の予測を反映させるのが望ましいでしょう。
日繰り表の実績更新は単独業務として行うと面倒で不効率です。
会計ソフトへ入力後の現預金元帳データ(Csvデータなど)を活用すると効率的です。
具体的には「会計ソフトでその日の取引を入力し終える」⇒csvで排出⇒マクロが使えれば一番良いが、それができなくてもvlookup関数・sumif関数を利用しできるだけ手軽に集計、という手順です。
色々な会計ソフトを試しましたが「csvが加工し易い」という点で弥生会計とPCA会計が使い勝手がいいのでは、と推奨いたします。
資金繰り管理屋さん®
合同会社Properly
代表社員 :佐藤 崇
本社所在地:東京都練馬区下石神井四丁目
前職では年の半分を地方支店でベンチャーキャピタルの営業、残り半分を本社で事業再生(ピンチな中小企業の資金繰り管理をずっと担当)で過ごす、というなかなか他にはいない経験を重ねてきた、と自負しております。